漢方ってそもそも?
現代の世界で「医学」と呼ばれているのは4つ。
①西洋医学 ②東洋医学(中国・韓国・日本)
③アーユルヴェーダ(インド) ④ユナーニ(イスラム諸国)
『漢方』とは中国の伝統医学の『中国医学』を元に日本独自に発展したものです。
※『中国医学』→『中医学』
※『中医学』とは中国で約4000年前に発祥し、歴史に裏付けられた理論と臨床経験に基づいて発展してきた中国の伝統医学のことです。
中医学の特徴は、それぞれの体質や病気の原因に合わせて治療する『オーダーメイド治療』と、病気にかかりにくい体質をつくる『予防医学』があります。
ルーツを同じくしながら、江戸時代の鎖国以来、独自の道を歩んできたのが日本の『漢方』で、『中医学』とは異なる点が多くあります。
中国では、原点となる医学書や、そのほかさまざまな書物や処方が生み出され、中国伝統医学の理論体系が発展してきました。
漢方とは、中国伝統医学の一部分が、島国で梅雨が長く湿気の多い日本風土の実情に合わせて調整され、広がったものです
西洋医学との違いは?
西洋医学では、『体調が悪い』人をどこが悪いか検査して診ます。
検査して基準値内であれば『病気ではない』診断になります。
東洋医学では体の不調を『未病』と捉えて治療をはじめます。
漢方での検査は
①その人をよく観察する(望診)
②お話をよく聞く(聞診・問診)
③脈やお腹をみる(脈診・切診)
をして、生活習慣もお聞きして『証』を見極めて治療方針を決めます。
『西洋医学』と『東洋医学』は全く違いますが、どちらが優れているわけではありません。
それぞれに得意な分野があるのです。
要するに漢方って何がいいの?
西洋医学より東洋医学が良い、ということはありません。
得意な分野が違うのです。
西洋医学の診断➡この病気にはこの薬、というように万人向けで患部をポイント治療します。
薬は化学合成薬です。
東洋医学の診断➡『証』により薬は違い、個人向け。全身をみて治療を開始します。
薬は天然薬物(生薬)です。
漢方の得意不得意
漢方に向いている症状
- 検査上は何も問題ないけど起きる症状(頭痛・肩こり・疲れやすい など)
- 病名がつきにくい慢性的な症状(胃腸虚弱・冷え など)
- 体のいろいろなところに同時に症状が起こる場合(月経前症候群・不定愁訴 など)
- 疲労やストレスが原因とされている症状(自律神経失調症・過敏性腸症 など)
- 体質だからとあきらめているような症状(風邪を引きやすい・寒がり など)
- 予防が治療となるような症状(アレルギー性疾患・花粉症・ぢ など)
漢方に向いていない症状