皆さんは漢方薬というと『自然(植物)だから安心』『健康食品と変わらない』などのイメージをお持ちの方も多いようです。ですが、副作用が出ることもあります。
めぐる漢方薬局でも『じんましんのようなものがでました。副作用ではないですか?』『咳がたくさん出ますが副作用ではありませんか?』『吐き気がします。副作用ではありませんか?』などのお問い合わせが時々あります。よくお話を伺いましたが、漢方薬の副作用とはっきりした方はいらっしゃいませんでした。
漢方薬の副作用は飲んでから数日以内にあらわれるケースがほとんどです。
例えば、今まで同じ漢方薬を飲んでも何ともなく、むしろ調子が良くなっていたのに数か月続けていたら副作用が出てきた、ということはあまり考えられません。
漢方薬の副作用として多いのは、当帰や地黄など造血作用の強い生薬を含むものを服用した時に胃が重く感じたり、もたれたりの胃腸の不調です。
また、皮膚の疾患の方が漢方薬を飲んで症状が『悪化した』と訴えられる方もいらっしゃいます。これは短期的な症状悪化の後で改善が進む『好転反応』であることも多いので、見極めが難しいのですが…。
ドラッグストアなどでダイエット薬として売られている『防風通聖散』という漢方薬があり、よく売れているようですが、これもからだの『証』に合わない人(お腹の弱い、体力のあまりない人)が使うと下痢が続いて体力を消耗してしまいます。これは副作用というより、間違った使い方が原因です。
漢方薬をハーブや健康食品のように感じている方もいらっしゃいますが、あくまで『薬』です。
症状にしっかり『効く』反面『副作用』も全くないわけではないので、お飲みになる際は専門家にしっかり説明を受けてから始められることをお勧めします。