週刊誌『週刊 S潮』9月14日号の特集で『「漢方」の大嘘』という記事が出ると新聞の広告で見かけて、一体何が
書いてあるのか、確認のためにS潮を買い、早速読みました。
見出しに『「製薬会社T」が国民を欺いた!!』とあります。漢方のことをあまり知らない人が見出しと広告だけ見たら、漢方薬と製薬会社Tがものすごく悪いみたいです。
内容は、医療用漢方薬の国内シェア8割で売上高は約1150億円を誇るT。日本で初めて漢方のエキス製剤に健康保険が適用されるようになったのは1967年。製薬会社Tの前身の会社が、33処方を含めた41処方、54品目の漢方製剤が一挙に薬価収載されたのは76年。大学医学部のカリキュラムに漢方の講義が組み込まれたのは10年ほど前なので、漢方の知識が全くない医者でも漢方薬を保険で処方できる『異常事態』が続いていたと。
「漢方とは本来、オーダーメイドであるべきなのに保険で既製品を出せるようにしてしまったところから間違いが広がっていきました。利便性と収益性を重視したのでしょう。漢方が浸透していなかった日本で漢方を普及させるためには利便性が高いものでなければならない事情もあるでしょう」 製薬会社Tが利便性と収益性を重視し、漢方の知識を持たない医者が漢方薬を処方し続けた結果、深刻な副作用事案が起こったと。
「大嘘」で国民を欺き、深刻な副作用事案を発生させてきた製薬会社T・・・。かなり内容は割愛していますが、大体このような内容の次に、製薬会社Tの漢方薬の写真入りの「副作用」辞典へと続きます。
「人を見て、脈診・舌診など総合的に判断して処方するのが本来の漢方です。治療法が人ごとに違うオーダーメイド。製薬会社Tの漢方は145㎝45㌔の人にも180㎝80㌔の人にも同じ服を着せているようなもの。その処方でフィットする層もありますが、フィットしない層も当然あります。」
「症状の〝症〟ではなく〝証〟なのです。日本で漢方ではお腹が痛いといった症状だけを聞いて薬を出している。対症療法になっているわけですが、本来の漢方は対‟証”療法でなければならないのです。」
などとあり、製薬会社Tの漢方薬ではその『さじ加減』ができない事が問題とされています。
全くその通りだと思います。漢方をよく知らない人が『さじ加減』無しで、対症療法で漢方薬を出していたら、効かなかったり副作用も出たりすることもあると思います。
ですが、キチンと漢方薬を勉強して、キチンと処方すれば漢方薬は優れた薬です。
もちろん自然だから安心安全、副作用なし!などとは絶対言いません。
製薬会社Tの漢方の在り方に問題はある部分もあるでしょうが、製薬会社Tの漢方薬で助かった方も大勢いらっしゃいます。
週刊誌の見出しのみ、週刊誌の斜め読みでは、『漢方薬が国民を欺く副作用だらけの薬』と思ってしまう人がたくさんいるのだろうな、と考えさせる記事でした。