めぐるコラム

上手く話せません ~聞診のお話~

最近では電話や、直接人と会って『話す事』が苦手な人が多いそうです。
会社やお仕事、学校などで話す事が苦手で、評価されづらいので困ったり辛い思いをされる方が多いそうです。
漢方ではお薬の方向性を決める診断方法の一つに『聞診』というものがあります。
漢方医学には望・聞・問・切の診察法があって、これを四診とよんでいます。
望は望診で現代の視診にあたり、聞は聞知の意で、視覚と嗅覚を通じて行う診察法です。問は患者さん、または看護の方などの問答によって患者さんの愁訴をはじめ、遺伝的関係、家族歴、既往症、現病歴などを知ります。
切は切診の意で、医師が直接自分の手を患者さんの身体に接触して診察することです。脈診や腹診はこの切診の中にふくまれます。
聞診では患者さんの音声・喘鳴・吃逆・胃部の振水音・咳嗽などを診ます。
陽証の患者さんは、音声に力があってはっきりしています。
陰証の患者さんは、俗にいう蚊のなくような、はっきりしない言葉の方が多いです。
うわ言の声が大きくて、話す内容に変化の多い場合は陽証の患者さんにみられます。
低音で同じ内容の言葉を繰り返していう場合は陰証の患者さんにみられます。
口臭・体臭のほか、大小便その他の排泄物の臭気を嗅ぐことも聞診です。
このように、話し方や声の大きさなども病気の証を診る材料になります。
会社や学校などでは声も大きく、しっかりお話しないといけない場面が多いのですが、漢方薬局では声の様子も
お薬を決める大事な要素でもあります。無理に元気にお話なさらなくても大丈夫です。
上手く話そうなどお考えにならず、ご自身の言葉でお話いただけたら、よい結果につながるかと思います。
お気軽にご相談ください。