めぐるコラム

漢方薬の飲み方 ~飲みやすく効果的に~

先日ニュース番組のエンタメ的な情報コーナーで【更年期川柳】の受賞作が発表され、大賞作品はこれです、と紹介されていました。
【サラリーマン川柳】【お~い〇茶 川柳】などはよく聞きますが【更年期川柳】は初めて聞きました。
ほてりや発汗などの更年期に起こる症状をテーマに詠むことで更年期に向き合うヒントを見つけたり、共感できると評判だそうです。
受賞作品や大賞作品を見ましたが、皆さん更年期のつらい症状を明るく笑い飛ばすような内容です。
更年期は女性だけではなく男性にも、ほとんどの人が避けては通れない道であり、症状は多岐にわたり、どの症状が出てもつらいものです。このように明るい気持ちで迎えて笑い飛ばせたら、つらいつらいと過ごすよりも症状も和らぐかもしれませんね。

お客様によく質問されるのは『漢方薬はどうやって、なにで飲んだらいいですか?』『こういう症状が出たのですが副作用ではないですか?』です。
めぐる漢方薬局では、基本的には【エキス剤】をお出ししています(エキス剤は煎じ薬を乾燥させた製剤です)。エキス剤の散剤(顆粒・細粒)・丸剤・錠剤などの形状を多く使っています。
基本的に顆粒・細粒は【白湯に溶かして】丸剤・錠剤は【白湯で】飲むことをおすすめしています(漢方薬の種類によって水での服用を推奨しているものもあります)。
時々『水でザッと口に流し込んでいます』という方もみえます。『流し込む』のは忙しい毎日を送る方や、味が苦手な方には有効だと思いますが『水で』というのはあまりいただけません。
特に冷水で飲んでいます、という方にはせめてぬるま湯で飲んでいただくようにおすすめしています。
体温より低い温度の水で飲むと内臓を冷やしてしまい、薬効成分の吸収の妨げになりやすいのです。
体を温める処方の漢方薬であれば、その効果も減ってしまいます
お茶やコーヒー・ジュースでの服用は避けていただいています。

服用のタイミングは大体【食前(食事の30分前位)・食間(食事の約2時間前後)】を目安としています。
多くの西洋薬のように【食後】を推奨している漢方薬もありますが、少ない印象です。西洋薬は成分で胃を荒らさない・胃の蠕動運動(胃に入った食べ物を腸へ送り出す働き)を利用してなるべく早く腸で有効成分を吸収させる、という意図によるものです。
漢方薬草や根、木の皮など植物由来の生薬・動物の角や甲羅、内臓、虫など動物由来の生薬など食用できるものが原料のものがほとんどです。この有効成分は腸内細菌に分解されることで体に吸収されます。ですから食後に服用すると、ほかの食べ物と一緒に腸内細菌に分解されるため、吸収効率が悪くなるのです。
さらに漢方薬は香りや風味に薬効を持つものも多く空腹時の、味覚や嗅覚か鋭敏になっている時に飲むことで、より効果も増します。
上記のような服用用法をおすすめしていますが、服用して胃がもたれたり、いつまでも腹部に違和感を感じるような時は無理をせずに食後の服用に切り替えたり、服用をお休みしていただいています。
それでも不快感が続くという方はもう一度カウンセリングをやり直して、病院で診ていただくことをお勧めしますしたり、薬を変えたりしています。