菅政権の目玉の政策の1つとして『不妊治療を保険適用にする』という旨の政策が打ち出されました。今までも治療費が高額な体外受精と顕微受精には国が費用の一部を助成する制度はありましたが、所得制限の緩和も含め幅広く検討するという方向に考えられているそうです。
一般的に不妊症とは『妊娠を希望し1年間性生活を行っているにもかかわらず妊娠の成立をみない場合』を指します。原因も何も関係なしに、理由は分からなくても子供ができない状態です。
一般の病気は頭が痛いとかお腹が痛いとか何か症状があるときに検査をして原因が判明したら診断がついて、診断に従って治療をする、という流れです。不妊症は痛みも不快感も無く、検査でわかることはとても少なく、原因の特定が難しいとされます。
精子も卵子も異常が無いのに受精できない時もあります。
細胞分裂しないこともあります。
排卵があっても卵子が入っている袋(卵胞)の中の卵子がすでに変形していることもあります。
不妊症の原因には、妊娠に至る過程で何らかの原因があると想定しています。
卵自体の問題もあります。卵の質が落ちていて、赤ちゃんまでいけない卵。染色体異常が発生する卵。
妊娠できないのはどこが悪いのか、何が原因か、本当の原因までは特定できないことがほとんど(検査の結果が正常だったり、仮に何か見つかっても)です。
不妊治療の保険適用が仮に拡大されて、様々な治療(排卵誘発剤・人工授精・体外受精・顕微受精など)を受ける機会が増えるかもしれません。
漢方・中医学の不妊治療とされるものは、西洋医学の不妊治療とは全く違うものです。例えば排卵誘発剤などの薬を使って治療をしても、着床したり、赤ちゃんの育ちやすい身体でないと、無事に出産までに至りません。そこで『妊娠しやすい身体』『赤ちゃんの育ちやすい身体』に近づけていくのが漢方・中医学の不妊治療のイメージです。生殖を司る『腎』の機能を高め、良質な血を養い、『気血』の巡りをよくする方向でからだを整えていく治療とご理解いただいてます。
西洋医学と中医学・漢方をうまく利用して妊娠力がアップしたら喜ばしいことだと思います。