まだまだ雨の日が続いています。湿気で蒸し蒸し不快ですが、それほど気温は高くありません。
いつ梅雨が明けて猛暑の続く日が来るかと怖いような気がします。
暑い日には冷たい食べ物や飲み物が欲しくなります。新型コロナウイルスの影響で『巣ごもり需用』として乾麵がよく売れているそうです。これからの季節は素麵や冷や麦、蕎麦や冷やしうどんが食べたくなりますが、あと1つ、忘れてはならないのは冷やし中華でしょう(笑)。
冷やし中華について面白い記事を読んだのですが、日本の冷やし中華は中国人にはウケないそうです。
中国で冷やし中華は『日式冷麵』といい、もともと中国には存在しません。夏になると日本料理店で見かけるようになりましたが、四川料理や湖南料理といった流行りのパンチの効いた中華料理に押されて日式中華の人気は高くないそうです。不味くはないが、インパクトに乏しいと酷評されてしまう傾向に。
中国で夏を感じる麺料理といえば『冷皮(リャンピー)』。冷皮は侠西(シャシー)省発祥の、小麦粉や米粉・デンプン等で作られた平打ち麵。屋台でも販売されているB級グルメの定番です。麵の上に千切りしたキュウリや人参、茹でたモヤシなど好みの具材をトッピングし、パクチー・唐辛子・生姜・ニンニクといった薬味を加えます。最後にしょうゆやラー油・お酢・胡麻ペーストやピーナツペーストなどを合わせた特製調味料をかけて完成です。
喉ごしがよくプルプルしている麵に、酸味が爽やかで濃厚なピリ辛ダレがよく絡みつき、夏バテ気味で食欲が無い時でもスルッと入ってしまうそうです。
どうですか?冷皮を今スグ!食べたくなりますよね(笑)。
下記のような理由から、中国では日本のように氷水でしめた冷たい麵料理が存在しないそうです。
まずは『健康的な理由』
中国人は習慣として、冷たい食品を体に入れることをあまり好みません。東洋医学の考え方から、暑い時に体を冷やすためには冷たいものを食べるのではなく『体を冷やす』効果のあるものを食べることを基本と考えているからです。
2番目に『設備的な理由』
中国の麵料理の歴史は長く、その料理が発祥した当時はもちろん、2000年代前半頃までは製氷機を設置している飲食店は多くなかったので、冷たい麵料理を提供できる環境にはなかったのです。加えて、水に対する衛生面での不安があったことも要因の1つと考えられます。
最後に『売り手の理由』
茹でた麺を氷でしめ、多くの具材をトッピングする『冷たい麵料理』の提供はとても手間がかかります。
その上中国では冷たい食べ物を好まないことから、付加価値を上乗せしにくいので、売り手側からすると旨味のない商品なのです。
日本でも夏に冷たい食べ物を食べ過ぎると体に良くない、という認識が広がりつつあります。
日本でも冷皮を食べられるお店は増えているようです。
この夏は冷皮はじめ、冷やし過ぎない料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。