最近、漢方の事をよく考えているからか、漢方薬を芸能人が飲んでいる、という話題もよく目にします。
ヴァイオリニストの高島ちさ子さんがテレビのバラエティー番組で『私はイライラを抑える漢方薬を飲んでる』と言っていました。普段からイライラしがちで恐い、というキャラクターの方なので『もっと強めの漢方お願い~』とお笑い芸人に言われて笑いを誘っていました。
イライラを抑える、軽減させる漢方薬は色々ありますが、何を飲まれているかとても気になるので考えてみたりします。
お笑い芸人(落語家?)の月亭方正さんは、大晦日の名物番組『絶対に笑ってはいけない』の収録前にロキソニンと漢方薬を飲んでいる、ということがネット上で話題になったようです。
叩かれる際に発生する痛みを和らげるため、だそうです。叩かれる前にロキソニンや漢方薬を飲むことが果たして正しいのか、と思ったらやはり皆さんも気になったようで、ロキソニンの発売元の第一三共ヘルスケアさんの見解が出ていました。
【ロキソニンは頭痛・月経痛・歯痛・打撲痛・ねんざ痛・外傷痛など、さまざまな痛みに対応する薬です。
ロキソニンは有効成分である『ロキソプロフェンナトリウム水和物』が、発生した炎症から放出される痛みの原因物質である『プロスタグランジン』を抑えることによることで効果を発揮する薬です。
ですから、叩かれることを想定した上でロキソニンを飲んでおくことは正しい飲み方ではありません。】
ということです。
薬剤師である私は当たり前のこととわかりますが、やはり薬のことに疎い方はわからなかったり、イメージで考えて飲んでしまうこともあるかもしれません。
ロキソニンよりも気になるのはもちろんロキソニンと一緒に飲まれていた漢方薬は何だったのか、です。
一般的な漢方薬で思い付くのは『治打撲一方』『桃核承気湯』辺りでしょうか。それとも漢方薬局などのオリジナル処方の漢方薬かもしれません。
いずれにせよ、叩かれる前飲んで痛みを和らげる漢方薬、というのは考えつきません。
芸能人とクスリ、と書くとまた違った意味になってしまいがちですが(笑)いずれにせよ西洋薬も漢方薬も副作用があるものが多いですし、飲み合わせも週刊誌で何度も特集記事が組まれるほど重篤な症状を引き起こすこともあるので、思い込みやイメージで薬を飲まずに医師や薬剤師に相談の上で正しく飲まれると良いと思いました。