テレビなどのグルメ番組でよく見かけるのが、ラーメンやスープにほんの少し『当帰』や『クコの実』が浮かんでいて『漢方薬が使われているから冷え症の方もぽっかぽかになりますね~』『漢方薬入りで美容に気を遣う女子にもバッチリ!』などと紹介されていることが多いように感じます。漢方薬入りだからなのか、価格も高めです。
漢方で美容にいいこと、薬膳料理というとほとんどの方がこのグルメ番組での扱い方のようなイメージをお持ちなのかもしれませんね。
薬膳というと『漢方の生薬を用いた特殊な料理』もしくは上記のように『料理に少し生薬がトッピングされている料理』というイメージで敬遠されるか、気軽に摂れると思われている感じでしょうか。
たしかに本場中国の薬膳を、そのままふだんの食事に取り入れるのは難しいかもしれません。
薬膳とは本来、健康を維持して病気を未然に防ぐための養生食です。ふだんの食卓に毎日気軽に取り入れられてこそ、薬となる食事=薬膳になるのです。中国に『薬食同源』という言葉があります。薬と食べ物は本来、同一のものであるという意味です。すべての食べ物はそれぞれ固有の働きを持ち、口にしたときに体に及ぼす作用も異なります。何の影響も及ぼさない食べ物はどこにもありません。
どこにでもある一般的な食材そのものが薬となり、体の血や肉や骨となるのです。こうした一つ一つの食物の働きを理解して、季節や体質、気候風土に合わせて最も適した食べ方をしていくことが薬膳です。
そうはいっても、薬膳を理解して毎日取り入れることは現代人にはほとんど出来ないと思います。
かといって、たまの外食などで生薬入りの食べ物を食べて『体中の血がキレイになった気がする!』というのも違うと思うのです(笑)。
めぐる漢方薬局でおすすめしているのは、昔ながらの和食と旬の食べ物をなるべく毎日取り入れていただき、美容やダイエット、気になる症状の漢方薬を飲んでいただくことです。
お客様の体質やお悩みに合う漢方薬を飲んでいただき、毎日できる食事方法を実践することが、美容やダイエット、気になる症状に効く近道だと思います。